日時:2022年1月13日(木)16:30-18:00
「分子雲コアの質量関数で探る星形成過程と今後の課題」
竹村 英晃さん(総合研究大学院大学)
太陽をはじめとした恒星は、分子雲の中に点在する高密度領域である分子雲コアで形成される。そして、形成された星の質量分布すなわち、星の初期質量関数(IMF)は領域によらない普遍的な性質だと考えられている。このIMFの起源の解明が星形成の研究における最終的なゴールである。そのため、星の形成場所である分子雲コアの質量分布すなわち、分子雲コアの質量関数(CMF)の研究が行われてきた。近傍の小質量星形成領域におけるCMFの観測結果より、(1)分子雲コアの質量の一部が星へ進化し、(2)分子雲コアと星の質量比が分子雲コアの質量によらない、と解釈されてきた。しかし、ALMAによって遠方の大質量星形成領域の観測が可能になると、IMFから期待されるよりも、質量が大きい分子雲コアの割合が高いCMFが報告されるようになったが、その解釈やIMFとの関係については議論が続いている。本講演では、分子雲コアの成長やCMFの時間進化の可能性や、今後のCMFの観測における課題とその解決方策について議論する。
ご参考:竹村さんによる天文月報記事 も合わせてご覧ください
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日時:2022年2月17日(木)16:30-18:00
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タイトル:広視野サブミリ波探査で探る巨大銀河・ブラックホールの形成
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