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Large Submillimeter Telescope

Credit: TNG Simulations

ABOUT

About LST

TELESCOPE | 望遠鏡

ミリ波サブミリ波帯において, 広い視野・広い波長範囲を一挙に観測する世界最大の口径50mのパラボラ・アンテナ型望遠鏡を南米チリに建設します. 波長がミリメートルよりも短い電磁波を受信するために, 巨大アンテナ自身の重力や風による変形を精密に予測し, 広い視野を実現するための研究を進めています. 超伝導検出技術の劇的な進展を活かし, 受信した電磁波から天体に関する情報を最大限引き出します. LSTでは, データ・サイエンスの爆発的な進展を取り込み、天文台の概念を塗りかえる研究プラットフォームを実現します. その狙いは,「初代の銀河」誕生を紐解くこと, 多様性に満ちた今の宇宙へのそこからの系譜を詳らかにすることです.

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Credit: MELCO
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SITE | 建設地

ミリ波サブミリ波とは, 電波と赤外線のあいだの波長帯の電磁波を指します. 地球大気は, この波長帯において, 必ずしも透明ではありません. その原因は, 水蒸気の存在です. LSTは地球上でもっとも乾燥した地域のひとつ, チリ・アタカマ高地, 標高5000 mの地に建設します. ここでは大規模な国際協力によって, 64台のアンテナを組み合わせたアルマ(ALMA)望遠鏡が稼働しています. ALMAとLSTは, すべてにおいて互いを高めあう関係となります. しかし, 電力供給や膨大な観測データの転送など, LSTを実現し, 運用するためには, 数々の困難を乗り越えなければなりません. 地球環境に配慮した計画, 地元チリの歴史と文化を尊重し, チリの将来ビジョンと調和のとれた天文台を建設してまいります.

INSTRUMENTS | 観測装置

LSTの強みは, ミリ波サブミリ波天文学史上最大の望遠鏡口径だけではありません. LSTでは, 満月を4つ並べた広さ以上の視野と100 GHz幅を超える周波数範囲を一挙に観測可能な装置を開発搭載します. これにより天体探査能力が4桁ちかくあがり, 革命的にパワーアップします. 天体からの電磁波の振動面の向きを測り, 天体磁場を明らかにする装置の開発研究も進めています. さらに天文学的数量のビッグ・データから発見をもたらすため, データ・サイエンスと人工知能技術の知見を総動員し, 天文学者を支えます. 圧倒的な感度は短時間での天体を検出を実現し, 天体のムービーをもたらします. まさにミリ波サブミリ波帯における時間領域天文学の本格的登場です. そこには, 人類がまだ知らない現象が発見を待っていることでしょう.

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WHY LST

“見えない宇宙”の

圧倒的な探査能力

ミリ波サブミリ波帯において, 1度角以上の広い視野, 100 GHz幅を超える周波数幅を一挙に観測可能な口径50m単一鏡の実現は, アルマとは相補的なディスカバリー・スペースの開拓を意味します. 超伝導検出器の劇的な技術的進展を大規模な超広帯域分光撮像装置の開発へつなげます. これによりミリ波サブミリ波帯輝線銀河の探査において前人未到の広域3次元探査に挑みます. また既存のミリ波サブミリ波撮像装置と比較して, 4桁以上探査能力が高い広域撮像カメラを駆使し, 時間領域天文学を本格的に開拓します. LSTの圧倒的な探査能力を武器に 「既知の未知」にとどまらず, 「未知の未知」を探究します.

Credit: Herschel Space Observatory

SCIENCE

LST が目指すサイエンス

天文学には今なお解決に至らない問題が多数あり, LSTは個々の研究者の自由な発想にもとづき, それらに挑みます. LSTが挑む, とりわけ重要で根源的な問いは, 次の3つです. (1) 宇宙で最初の星はどのように誕生し, 最初の銀河はどのように形成されたのでしょうか? (2) 開闢から再電離までの宇宙史の黎明期に, 銀河はどのようにして超巨大ブラックホールを持つに至ったのでしょうか? (3) 近傍宇宙で見られる星々や惑星系は多彩な性質を示す一方, 共通してみられる性質もあります. 一見相反するように見える, 多様性と普遍性を支配する物理法則はいかなるものでしょうか? この3つの問いを超え, LSTとともに, 未知なる自然現象に未知を見出し, その解明にも挑戦します.

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COLLABORATION

​世界最高のサブミリ波天文学の実現へ

私たちは, アルマ(ALMA)との相乗効果を強く意識して, LST計画を進めています. LSTに課せられたミッションは, 広い領域の掃天観測・分光探査・偏波観測です. この野心的なスペックを実現するうえで, 超えなければならない技術的挑戦が存在します. たとえば, (1) サブミリ波/テラヘルツ波まで観測可能で, 50mもの大口径望遠鏡をド ームなしの環境でいかに実現し, 維持するか?  (2) 1平方度あるいはそれ以上の広い視野を活かし 切ることのできる, 1メガピクセルの超伝導検出器アレイをどのように実現するのか? (3) 高精度な偏波観測をいかに実現するのか? (4) LSTが生み出す極めて膨大なデータを如何に効率的に処理し, データ科学・統計科学的手法を取り入れて天体からの情報を引き出すのか?(5)将来の研究の進展を念頭におき, 再解析と検証が可能なかたちで如何にデータを保存し, 後世へ継承するのか?です. 欧州の50mサブミリ波望遠鏡計画AtLASTをはじめとした, 世界各国の研究機関と協力しながら, こうした課題に挑んでいます.

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ALMA

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AtLAST

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